トルストイ『復活』のマルクス

2019.05.23 Thursday
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    ---
    ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
    ¥ 4,075
    (2016-11-02)

    JUGEMテーマ:読書

     トルストイ全集を読み続けています。

     

     ISISで教育を受けたような維新の会の議員が戦争してロシアから領土を取り戻せと言わんばかりの主張をいまだに続けて議席を死守しているなか、このトルストイという大文豪は今でこそ為になる先進的な思想を表明しています。

     

     『戦争と平和』、『アンナ・カレーニナ』と変遷をへて『復活』に至る彼の精神発展は、すなわち社会の発展を物語るものでした。

     科学・技術がさほど発展していない19世紀にこのような見通しを持った作家はほかにいないでしょう。

     維新の議員なぞ、トルストイが『戦争と平和』を書いた時期以前の思想で、まくし立てているのであきれてしまいます。はやく辞任させてほしいと思うのです。

     

     『戦争と平和』では、戦争と民衆の悲劇、戦争を起こす主体を皇帝から描きました。『アンナ・カレーニナ』では、その主体となった貴族社会の腐敗とそれに代わる道徳を対比的に描き、『復活』では、「階級」を恥じてすべてを捨てて新しい社会を模索する人物群像を描いています。

     

     とくに『復活』はロシアの革命運動の歴史を紐解くうえでも歴史的産物であり、アナーキズムに傾斜しない未来社会を建設するという思想を身に着けるうえで、橋渡しとなった小説です。

     シモンソン、コンドラチェフ、パヴロワなどの活動家がカチューシャに影響を与える第三部は読みごたえがあります。

     

     ・・・・・・・

     

     農民は死にかけている、しかも自分が死にかけているという事実にまひしてしまっている。
    彼らのあいだには死に魅入られたような生活態度ができあがっている。
     農民の貧困のすべてが、あるいは少なくとも貧困の主要な、至近な原因が、農民を養ってくれる土地が、農民の手になく、土地の所有権を利用して、農民の労働によって生活している人々の手ににぎられていることにあることも、まったく明らかだった。
     ぬすんではいけない。と彼は言われます。ところが彼は、工場主が彼の労賃をけずって、彼の労働をぬすんでいることを知っているのです。政府とすべての役人たちが、税金の形で、たえず彼からかすめとっていることを知っているのです。
     彼(コンドラチェフ)は禁欲生活が身について、ごく小さなことに満足した。彼はこどものころから働くことを教えられて、・・・やすやすと器用にどんな肉体労働でもこなすことができたが、しかしなによりも自由時間をたいせつにして、獄内や宿営で学習をつづけていた。彼はマルクスの第一巻を勉強していた。そしてまるで宝物のように、たいせつにそれを袋のなかにしまっていた。・・・・しかし彼は、カチューシャのことは哀れんで、彼女に上流階級による下層階級搾取の見本を見て、彼女にはやさしい態度をとっていた。この理由のために彼はネフリュードフを好かず、口もきかないし、手を握りかえすこともしないで、ネフリュードフが握手をもとめると、ただ手を出して相手の握るにまかせるだけだった。
    ・・・・・・・
     
     以上の一節をとってみても、何世代も前の話なのに、今に生きている小説だということが、よくわかると思います。
    戦争で領土を取り戻せ、なんて話にならないのです。
     松井須磨子が「カチューシャ」を演じ、AKB48が「カチューシャ」を歌い、今、こういう小説の中身の真価と進化が問われているのです。

     

     

     

     

    文学ディスカシォーネ|-|-|-|-|by ネコスキイ

    ゲシュタポ「維新の会」

    2019.05.14 Tuesday
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      JUGEMテーマ:ニュース

       

       まったくどこで教育を受けたのか(東大卒らしい)。

       維新の会の国会議員が、“北方領土”について戦争しないととりもどせない、という意味の発言をしたため、謝罪しました。

       日本の戦後教育は、国家としての戦争否定から始まります。それが日本国憲法を擁護する教員の務めであり、それを基本として教えるのが任務なのです。

       その発言を批判するロシアの議員も、スターリンの領土不拡大原則逸脱には触れないため問題が複雑になります。

       

       そもそも戦後世界の基本としている政治道徳についての教育と徹底が不足し、大人になってもリカレント教育が欠けるため、国会議員でさえ、「戦争」を手段として紛争を解決することを主張するようになりました。

       性差別を助長するテレビ制作といい、今回の舌禍でもあらゆる現場では確立された道徳で誰も批判しないような空気になっています。

       

       維新の会は、もともとから極端主義を党是とするような政党です。そして、それは、自民党のお先棒を担ぐような言動に尽きるのです。昔の天皇が、みずから殺せとは言えないので、周囲の者が殺せと主張し、それを実行しているような政党なのです。

       歴史を紐解けば、ナチス・ドイツのゲシュタポ(突撃隊)がユダヤ人や共産主義者を摘発し嫌がらせと破壊をしたのと同等の行為と言動と言えるのです。平安末期、平氏も「禿(かむろ)」が同様の働きをしたし、当のドイツでもヒトラー・ユーゲントが告発者となり、中国の「文化大革命」でも紅衛兵がそういう役割を果たしました。

       

       注意しないといけないのは、そういう歴史や経緯を知らない人まで「突撃隊」の主張に巻き込まれるという悲劇に陥ることです。

       無実の者が罪を犯してしまう「忖度」や「空気読み」というのがそれにあたるでしょう。

       

       今回の「戦争」発言では、発言者本人へ注意と同様、同調者への注意も必要と思います。ユダヤ人が少ない日本にあっては「共産主義者」が無実の罪で告発されることのないように、細心の注意が必要です。とくに、小声で話す、とある新興宗教の信徒たちがそういう役割をはたす可能性があります。

       

       公明党の幹部は言います。今回の衆参同時選挙をすると政権を失う可能性がある、と。それは、皮肉にも以上のような流れから理解できるような気もします。

       

      p.s.

       その後、「戦争」発言の議員は離党届を出しましたが受理されず、同党の党紀委員会で除名処分に付される見通しとなりました。さすがの「維新の会」でさえ「戦争」肯定発言は見逃せないようですが、党の体質としては自民党のお先棒担ぎの「突撃隊」としての役割は大きいと感じます。

       

      p.s.2

        さらにその後、衆議院でも彼にたいする議員辞職勧告決議を検討していることがわかりましたが、すぐに決められない点に国際的鈍感と歴史的鋭敏さのなさを感じます。松井代表はすぐに辞職を促した点で評価されますが、衆院で党に持ち帰り検討する政党もあって如何ともしがたい無憲法を痛感します。

       それにしても、「憲法改悪」を持ち出す安倍首相も実は、戦争発言議員に遠くて近い無憲法ということも知るべきです。

       

      p.s.3

        その後、議員辞職もせず、往生際悪く、丸山議員は発言き憲法違反でない!と主張しています。

       維新の会は除名したおかげで逆に足を掬われずにいます。代表が辞職を促した最初はいいのですが、それを強制しなかった点はむしろ非難されるべきです。

       

       

       

      日本政界への気合だ!|-|-|-|-|by ネコスキイ

      イラン危機と3人の憂鬱

      2019.05.08 Wednesday
      0
        評価:
        サヘル ローズ
        文藝春秋
        ¥ 1,337
        (2009-01-27)

        JUGEMテーマ:ニュース

         

         2015年のイランの「核」問題について、アメリカが合意しなかったことをきっかけに緊張が続いていましたが、石油の全面禁輸を景気として一気にアメリカ・イラン関係は冷え込んでいます。

         そして、ついにアメリカは空母を派遣、威嚇をつづけ、対抗したイランもミサイルを空母に照準をあわせています。

         

         これはもう「イラン危機」と言うべきです。

         日本は「令和」で世界平和を誓ったのに、「軍事同盟国」が眠りを覚ましました。

         現実は、戦争の危機なのです。

         しかし、それは、なにも今日に限ったことではなく「安保強化体制」を確立した段階から急激に戦争危機はあったのでのです。

         「令和」は安倍政権の隠れ蓑に他なりません。

         

         このイラン危機に対して、どう同盟国として対処するのか、ということが問われてくる鋭い情勢です。

         国民は格差社会で食うや食わずの生活に追われるか、将来不安に拍車をかけられている構成比率が大きくなっているのに、「危機」、「戦争」などと言った場合ではありません。

         

         さて。

         ここに、イランにゆかりのある有名3人がいます。

         .瓮献磧璽蝓璽ーのダルビッシュ・有 (父親がイラン人サッカー選手)

         ▲織譽鵐箸離汽悒襦Ε蹇璽此(イラン・イラク戦争で孤児になった経験)

         2亮蠅離瓮ぁΕ献Дぁ(母方の祖母がロシア人でイランに亡命)

         

         これらの方々は、この危機に対して怒りと悲しみに震えているでしょう。

         とくに、戦争被害経験者のサヘルさんは怒りに耐えられないでしょう。

         

         

         

        世界政治を語れば|-|-|-|-|by ネコスキイ

        アイドル解放論

        2019.04.24 Wednesday
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          評価:
          指原莉乃,前山田健一,感傷ベクトル,シシド・カフカ,ももいろクローバーZ,若林正恭,山里亮太,後藤まりこ,森山未來,山下敦弘,蓮佛美沙子,Revo,トータルテンボス,日南響子,joy,amazarashi
          太田出版
          ¥ 945
          (2012-08-10)

          JUGEMテーマ:エンターテイメント

           

           

           ついにアイドルでHKTの指原梨乃さんが4月28日のコンサートで“卒業”します。

           AKBの「恋愛禁止」の掟を破ったためHKTに左遷されられたにも拘わらず、そこから「総選挙」で1位を勝ち取りました。

           その後3度の総選挙で3連覇。全体で4回も1位を勝ち取り前代未聞の業績をあげました。

           

           それにしても、何かこう書いていて空々しい感じがするのは、それらの世界は世間から隔絶された鏡の中のことのようだからです。

           これを労働の現場から見ると、アイドル業は奴隷的拘束であり、長時間過密勤務であり、義務教育放棄であり・・・・などと多面的に論じてきました。

           その中でもとくに非人間的なのは「恋愛禁止」でした。

           この点については、峯岸みなみさんの丸ボーズ事件についてこのブログでも論じました。

           ところが、この点についても一向に改まった様子はなく、内緒の恋愛や肉体的関係にはスキャンダラスなマスコミにさらされてきました。

           これでも、ショウー興行的に成功すれば「正しい」とされている不道徳に異議を唱えます。

           もしこれが他でも許されるならば、家庭にもちこれれば、社会を破壊する一穴になるからです。

           

           「恋愛自由」

           

           これが、人間解放とアイドル解放のスローガンです。

           

           

           

          芸能を正しく見る〜と|-|-|-|-|by ネコスキイ

          ノートルダムは燃えているか?

          2019.04.16 Tuesday
          0

            JUGEMテーマ:ニュース

             

             朝のニュースを見て驚いた方も多いと思います。

             

             パリのノートルダム寺院が大火事で、尖塔が崩壊しているシーンがテレビで放映されていました。

             周辺地域もあわせて世界遺産になっている場所なので、こんなことになるとは。

             原因の追究は当然ですが、それがどうあれフランス政府の管理が悪いとしかいいようがありません。

             

             この寺院は歴史的にも文化的にも精神的にも、フランスやヨーロッパのよりどころとなっていました。

             尖塔の崩壊が何かのエスプリの崩壊を象徴しているようで、ヨーロッパ人はもとよりアジア人も悲嘆にくれています。

             

             ノートルダム寺院はエッフェルタワーができるまでは、パリの象徴。いや、それ以上のものがあったと思います。

             ロシアで言えばクレムリン。イギリスで言えばビッグベン。韓国で言えば南大門。熊本で言えば熊本城!!。京都でいえば金閣寺。

             

             昨日、私は奇しくもビクトル・ユゴーの「ノートルダム・ド・パリ」を読んでいたところでした。

             しかも、ノートルダム寺院の火事が発覚する日本時間の未明だったので、何かの共通性を感じました。

             また、遅ればせながら劇団四季「ノートルダムの鐘」をミュージカルで見たいと思っていたから、なおさらでした。

             

             この小説はノートルダムに棲む謎の背むし男カジモドがその寺院の元で踊るジプシー女エスメラルダを好きになると言う話を政治的駆け引きを交えて展開しています。カジモド(Quasimodo)はノートルダム寺院の前に捨てられた障害者の孤児で、寺院の僧によって鐘つき男として育てられ、寺院内部しか知らずに育ったのに、自由で美しいエスメラルダを見て人間性に目覚めていくのです。

             今でも、ノートルダムに参詣する入口ではジプシーが列をなして“慈悲”を乞う姿が見られます。

             また、ひと昔前ですが日本のビールのCMでは「Voila・・・」と歌い、ジプシーの息吹を感じましたね。

             寺院の周りでは、「カジモド」、「エスメラルダ」という喫茶店や食堂もあり、その小説の影響とその元となった人民の状況を感じるのです。

             それもあって、日本では「ノートルダムの鐘」というディズニーアニメが流行り、新国立劇場ではバレーが好演され、出版物もさかんです。ヨーロッパでは「レ・ミゼラブル」より、人気があるのですが、日本ではそれを越すことはないので、常々不思議に思っていましたが・・・。

             三島由紀夫の小説「金閣寺」は、その炎上の原因を金閣寺の美に酔いしれた修行僧の耽美主義に求めています。

             ノートルダム炎上の原因は、そんな簡単にはいかないでしょう。「黄色いベスト」運動の過激主義と関係はあるのでしょうか。フランスの小説は、オペラ座にいる怪人や復讐に燃えるモンテクリスト伯のような、権力とは反対の範疇に入る正義と逆転劇を描き人気を博してきました。悲嘆くれつつ、何か、面白いことが起こりそうな予感がします。

             マクロン大統領はさっそく再建の声明を出していますが、それだけで済むのでしょうか。再建など金と最近の技術があればできます。ベルギーの学者が寺院のすべての場所をCGスキャンしているのですから、形は再建できるのです。しかし。

               西田幾多郎の「フランス哲学についての感想」を読むと、パスカルの言葉を借りれば、フランス哲学には単に l' esprit de géométrie「幾何学の精神」でなくesprit de finesse「繊細の精神」というものがあると述べています。

             幾何学的なノートルダムの崩壊で、この繊細の精神とも言える何かを失くしてしまわないか、怒りに震えています。

             

             などと、つらつら考えていたとき、あの寺院の中に「ピエタ」というキリスト教の彫刻があり、それが台無しになっているのではないかと、ふと心配になりました。

             遠い日本にいても、何か精神的なダメージがあります。そうだ、世界遺産はその歴史と壮大さによって世界の人々の精神を支えているのだ。

             改めて、世界遺産の世界的な防護を訴えます。

             

            p.s.

               ノートルダム寺院再建のために有名企業や著名人が100億円単位の寄付を申し出て、現在合計1000億円を超えているそうです。

             「カルメン」を書いたメリメは官僚だったときに、フランスの文化財建築物の一覧表を作ってその保護をしてきたという歴史がフランスにはあるそうですが、天災でもないのに、ボヤでなく壊滅的、いや灰燼に帰すという表現があたるくらいの火災を起こしてしまうところにフランスの文化行政の脆さが表れていると思います。

             ちなみに、「ピエタ」については、大丈夫のようでした。

             

             

             

             

             

             

            哲学のラ・フォンテーヌ|-|-|-|-|by ネコスキイ

            宇宙の時代と「令和」

            2019.04.01 Monday
            0
              評価:
              ジャクリーヌ ド・ブルゴワン
              創元社
              ¥ 1,728
              (2001-05-01)

              JUGEMテーマ:ニュース

               

               新しい元号が「令和」(れいわ)と決まりました。

               

               名前が「れいわ」さんという人は、きらきらネーム全盛のなか一杯いるでしょうね。

               よかったのか悪かったのか。

               

               さて、現在、民間でもロケットを打ち上げ、宇宙旅行しようという時代なのに、まだ元号にこだわるのは天皇への未練でしょう。

               ところが、いくら批判したとしても「天皇」ほど日本国を代表する人はいないのです。

               正確に言うと、代表ではなく「象徴」ではあります。

               

               シャネルのバッグをもっていても、シャネルのマークがないと意味ないのと同じ。しかし、その実態はシャネルの品質なのです。日本国でいうと国民がその品質なのです。

               

               西暦にせよ!と息巻いて正義を語ろうとする人もいます。しかし、イスラム歴やゾロアスター歴、仏教歴などというものもあり、西暦というキリストにまつわる暦に統一するのは忌み嫌う人もいます。

               

               ここで提案です。

               電波や気圧など世界共通の事象については、世界の統一がなされているのにその基本になる時間と起点が各国様々なのは、宇宙の時代にふさわしいのか、考えましょう。

               人類の始まりがアフリカのオルドバイ渓谷ならば、それを起点に考えて暦をつくってはどうでしょう。

               DNAに時間と歴史が刻まれているならば、もしその発見があるならば、そうすることもつまらぬ争いをなくすことになるでしょう。

               

               そうすると今日を、6,000,000年4月1日として、日割り計算するのです。((笑))

               

              P.S.

                 あとで考えたら、世界暦会議を招集して、全員一致で決めた日の年をさかのぼって1月1日とし、その前後を紀元前後とすればいいのではないか。

               

              p.s.2

                 ブラックホールを始めて撮影した功績に日本人研究グループが大きな役割を果たしています。4月10日付天文学専門雑誌に掲載されました。その先に何があるの?とまた問いたくなりまずが、「令和」でがどうの、「平成最後の・・」と騒いでいる日本が馬鹿らしくなりますね。

               この研究に携わった人たちが、宇宙年とかビッグバンとかの年齢を正確に定めてくれれば、暦の問題は解決するかもしれません。

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

              歴史さんぽりーの|-|-|-|-|by ネコスキイ

              経済学名著50冊を1冊で

              2019.03.15 Friday
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                「経済学の名著50冊を1冊でざっと学べる」本が出ています。

                 アダム・スミスはもちろんマルクス、アマルティア・セン、トマ・ピケティ、ジョージ・ソロス、川上肇まで紹介されています。

                 また、かなりくだけた表現でも自分の言葉にもかかわらず、科学的に紹介されていますので、大変面白く読ませていただきました。

                 

                 著者は、代々木ゼミナール講師、KADOKAWAで出版されていますが、私が読んだのはKindle unlimited版なので紙の本とは少し違いあるかもしれませんが、確認していません。

                 

                 それはさておき、この著者はマルクスの理解も敵対的ではなく反共的でもないところが惹かれます。もしかしたら、トロ(トロッキスト)かもしれません。でも、今は伏せときましょう。

                 

                 マルクスの理論の大切な点を概略的に示しているのではなく、感想的に述べています。『資本論』は「資本主義の仕組みを丸裸にする」本など、という表現で読者をひきつけます。「剰余価値」の搾取を簡潔な図入りでしめしてある点、数ある経済学本とは一線を画す読み応えがあります。

                 そして、第3巻の資本流通の総過程の結論とでもいうべき「利潤率の低下の法則」を「資本主義は発展すればする ほど、資本家の利潤率が下がってしまうのだ」と説明しています。

                 この考えは、実際の『資本論』では、「平均利潤率の傾向的低下」という章立てになっています。そこをこのレベルの著書で簡潔に説明しているというのがすごいところです。

                 ところが、この理論を応用した「全般的危機論」は30年ほど前に論破されております。たとえば、「平均利潤率の傾向的低下」の法則は恐慌などとは関係のない話、利潤率の低下はあっても利潤の絶対量は増える、という考えもあるのです。

                 その点の考慮が欠けているのがこの著書の難点かな、と思います。

                 

                 いずれにせよ、著者は『資本論』そのものは読んでいないと吐露しています。実際に読んだのはデヴィッド・ハーヴェイ の『 資本論 入門』だということですから、何をかいわんやですが、本当は解説する値打ちがないのですが、三次資料からでもこのレベルの解説ができる能力は褒めてあげたいと存じます。

                 また、そのハーヴェイを引用して、「 今の時代だからこそ 面白い」と思える内容を見つけられるはずだ、と主張している点も著書の紹介者としては合格と言えますね。

                 

                p.s.

                 だいたいこの手の本は「マルクス」の理解のレベルを見れば、全体の解説レベルも分かります。

                 また、「平均利潤率の傾向的低下」(ドイツ語からの直訳)は、マルクスが概略的に発見したもので真理は真理だけれどその意味を正確に解釈する経済学者はいまだ出てきていないのです。

                 

                 

                 

                 

                経済・税財政論・会計学|-|-|-|-|by ネコスキイ

                福島原発事故made in America

                2019.03.11 Monday
                0

                  JUGEMテーマ:ニュース

                   

                    みなさん

                    「3.11」と検索して10円寄付しましたか?

                   

                   その検索の中で面白いことを発見しました。

                   福島原発事故の責任はアメリカの企業にある。という論理が、アメリカの訴訟で語られています。

                    東日本大震災で被災した人々を救援するための「トモダチ作戦」に従事した在日米軍人が訴えを起こし、それが裁判所で棄却されたたためにニュースになっています。 

                    そのアメリカ企業とはGE(ジェネラル・エレクトリック)です。これは元はエジソンの会社、エジソンは偉い人でおなじみです。

                    この裁判で使われた考えは、なかなか面白い論理明解性があります。

                   

                  GEは、1960年代、原子力産業で優位に立つため、安全の専門家が懸念するような、“標準よりも非常に小さく、安全性の低い格納容器を搭載した品質の悪い原子炉”を提供したこと、
                  GEは、原子炉が地震や津波などの自然災害のリスクに耐えられない可能性がある設計であると知りながら、その原子炉を福島第一に設置したこと、
                  GEは、当初、原発を海抜115フィート地点に建設する予定にしていたが、コスト削減のため、海抜が低い位置に変更、太平洋により至近に建設したため、津波などで起きる洪水のリスクが大きく高まったこと、
                  GEが設計した原子炉は、放射性物質を拡散させるメルトダウンを引き起こしたが、それは原子炉の設計と建設場所を考えれば、完全に予測できるはずだったこと、また、事故に際して起こりうる放射性物質の拡散を防ぐための安全対策を十分にしていなかったこと、
                  ➄GEは、現在まで、その行動と失敗が引き起こした莫大な経済的破壊に対して、全然弁償していないこと、

                  (飯塚真紀子 在米ジャーナリストのボストン紙からの引用)

                   

                   われわれ日本人からすると、いや、アメリカの責任を問う事を忘れた人間からすると(日本共産党および良識派以外)、こういう考え方は出てきませんね。

                   日本独占資本主義とアメリカ帝国主義という「二つの敵」論、現在では社会変革を阻む二つの要因が絡み合って起こされたことが、以上の報告によって鮮明にされています。

                   

                   この点で重要なのが、この二つの阻害要因になっている具体的表れが日本政府だということを認識することです。

                   日本政府が、原発建設を容認しなければ、GEの営業とアメリカ技術者の苦悩はあり得なかったのです。

                   

                   ここに、「二つの敵」をアウフヘーベンした、高度な「一つの敵」論が生まれてきます。

                   簡単に言えば、日本社会の害は、

                   

                   「日本政府にあり」!!

                   

                   と言えり。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  科学はだいじだよ|-|-|-|-|by ネコスキイ

                  核兵器ある限り未来なし!!

                  2019.03.03 Sunday
                  0

                    JUGEMテーマ:ニュース

                     

                      新聞の書き方が悪いのか、トランプ氏のしゃべり方がわるいのか。

                      テレビでもラインニュースでも、

                     

                      核兵器ある限り「未来ない」

                     

                     とアメリカ大統領が語っています。

                     耳を疑いました!ついにトランプ氏が核兵器を廃絶するのかと。

                     

                     主語をはっきりさせないと、反射的に自分のことになってしまう典型です。

                     正しくは、「北朝鮮は核兵器ある限り未来なし」と言いたいようです。

                     

                     しかし、一種の皮肉にも聞こえて、これはアメリカにも中国やロシアにも言えることではないでしょうか。

                     福島原発事故の反省で、「原子力の平和利用」という言葉を控える動きがあり、経済的にもペイしないので原発開発から撤退する企業や国も世界ではあらわれています。

                     

                     革命的に原子力を操作する科学が発達した未来ではどうかわかりませんが、当分の間は、

                     

                     原子力発電所と核兵器ある限り「未来」なし

                     

                     とも言えるのではないでしょうか。

                     奇しくもトランプ氏の発言も報道で「核」勢力の墓穴を掘った感じを受けました。

                     

                    p.s.

                       「社会主義国」と言われるベトナムで米朝会談が行われ、両国関係の維持に「成功」?したのですが、肝心の北朝鮮の核兵器廃絶とアメリカの制裁解除の目的は達成されなかったようです。また、日本にとって拉致問題解決はまた遠のいたように見えます。

                     それにしても、侵略されたベトナムが「社会主義国」であってもこんなに発展するのだよと北朝鮮に見せつけたことだけがクローズアップされています。金正恩とは別動隊の幹部はその現実を見せつけられたことでしょう。

                     ここで大切な観点は、ベトナムは現在「社会主義国」ではないということと、北朝鮮が目指していたのは「社会主義国」ではないということを理解することです。ほんとうの社会主義国ならアメリカは付き合わないでしょう。

                     

                     

                     

                     

                    歴史さんぽりーの|-|-|-|-|by ネコスキイ

                    平成天皇と殉死するもの

                    2019.02.28 Thursday
                    0

                      JUGEMテーマ:読書

                       

                       夏目漱石は「こころ」で明治天皇と時代に別れを告げました。形態は主人公の自殺という比喩的仮託をとりましたが、それは間違いない文学観だと思います。

                       

                       さて、平成天皇は「崩御」ではないですが、これだけ「平成最後の・・・」と喧伝されれば、それなりに「殉死」する人や事柄が出てくるのではないでしょうか。

                       茶会に招かれた方々を見ても、まさに「平成」を彩る人がずらりとならび圧倒されてしまいます。

                       中村吉右衛門氏など畏れ多くてお話もできなかったということですから、万民平等の日本でも「天」に相当する人がいると考えていいのでしょう。

                       「天は人の上に人を作らず」とは福沢諭吉の「学問のすすめ」の冒頭です。

                       この「天」に相当するのが、今はもしかしたら「天皇」なのかもしれません。

                       

                       この「天」ともに「殉死」するものは何かないか考えていました。

                       ふと思ったのは、もしかしたら「民主主義」なのではないかと。

                       

                       そう思うと背筋がぞっと冷たいものを感じ始めました。

                       しかし、その伏線はいろいろとあると思います。それはこのブログで縷々述べてきたので読み返してください。

                       

                       でも、そうならないように努力するのが巨大な21世紀の人間なのです。

                       期待しましょう。

                       

                      p.s.

                         2019年5日1日、共産党系のメーデーは行われるのか、おこなわれないのか。That is the question!

                       

                      歴史さんぽりーの|-|-|-|-|by ネコスキイ
                       
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