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あらすじとイラストによる『資本論』解説

2011.01.01 Saturday
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    評価:
    知的発見!探検隊
    イーストプレス
    ¥ 500
    (2010-11)
    コメント:いい感じ、いい感じ。

    JUGEMテーマ:学問・学校
      最近できた日本で一番大きい書店に行きました!!
       建築家・安藤忠雄設計らしいです。大阪の茶屋町付近にできた新築のビルで、まだ周辺の再開発が進んでいるので、大阪駅からのアクセスは悪いのが、ちょっと難儀なところ。
     丸善&ジュンク堂が一緒になって、まるで図書館のビューティフルを兼ね備えた書店になっていました。
     池袋や新宿のジュンク堂に似ているところもあります。レジは一階に集中して、買い物かごで書籍を詰め込み、一階で清算することになっています。店員の顔の引きつりが何を物語っているのかわかりませんが、開店したばかりなので緊張しているのでしょうね。
     大阪駅前のヒルトン・ホテル・ビルにもジュンク堂がありましたが、それはそれで継続しているようです。梅田地下街を上がれば旭屋、阪急電車のターミナルに紀伊国屋、茶屋町に丸善&ジュンク堂という“三国時代”ができました。
     電子書籍元年というれた2010年に、紙媒体中心の本屋がどれほど生き残れるのか?
      現在、そういう点も注目してみています。
     
     さて、そこで見つけた!本に、『あらすじとイラストでわかる資本論』(イースト・プレス)というのがあります。
     ペーパーバックの用紙に印刷された廉価な書籍でありますが、中身は凄い。小さい本屋ではなかなか手に入りにくいので、やはり本屋に行くことが大切なのだ、と思うのです。
     とにかく死ぬまでには『聖書』と『資本論』は読んでみたいという人にはなかなかためになるものです。
     こういう本はまずはパラパラと読むのが大切です。それは軽視していることとは違い、全体を概観することで、枝葉の意味が見えてくるのです。
     そのパラパラ読みで見つけたのが、「AKB48が搾取されている?」というページがあります。
     昨日の2010年紅白歌合戦を見ながら、この本のそのページを思い浮かべていました。
     
       「マルクスのいったとおり、今でも低賃金で長い労働時間を要求されている女性も大勢いるのが現実だ。 例えば現在世間を騒がせているアイドルグループのAKB48。『週刊文春』では彼女たちの月収がわずか10万円だということが暴露された。朝は始発で仕事に出かけ、夜は終電で帰ってくるという生活をほとんど休みなしで送っているのに、これでは少なすぎる」(p27)!!!!

      「少なすぎる」ということは、長時間労働を肯定しているように見えますが、全体の流れからいうと、女性や子どもの搾取の実態を告発したマルクス資本主義の本質を、現在的に象徴した表現だと考えます。
     これは、「いつの時代も女性労働者は泣きを見る」という章の一部。「女工哀史は平成の時代でも続く」との副題があります。
     NHK大河ドラマ『龍馬伝』で、龍馬は皆が笑って暮らせる世の中をつくると希望を持たせましたが、女工哀史時代の賃金奴隷制度はまだまだ続いていて、笑えないことが多い世の中です。
     何故これが続くのか?この仕組みを理解するのには、『資本論』が最適なので、リーマン・ショック後にこの古典が流行ったのもうなづけます。
     
     最初の書籍に戻りましょう。
     パラパラ読みで、楽しいのは目次です。興味を引く、あるいは今までにない表現を見つけるとそこに飛ぶことができるからです。
     この本で引きつける目次は、「今こそ『資本論』が必要な世の中だ!」と強調している点。
     また、「資本を増やし続けた08年の金融業崩壊を予言!」、
         「労働者はどのようにみずからを守ったか?」、
         「(成長した資本家は資本家同士の戦いを起こしていく)副題」
         「(資本主義が発展するほど利潤率が下がっていく)副題」
     
     など、興味ある文言がちりばめられています。
     特に、『資本論』第三巻を8ページ分に凝縮されていますが、「平均利潤率の傾向的低下」については2ページにまとめられています。
     それが、資本主義が発展するほど利潤率が下がっていく、という内容なのです。
     ここでは、難しい議論を簡単にするために、「平均」や「傾向的」という言葉が削ってありますが、その部分もすこぶる重要で、総資本という全体を見ないとわからないのです。
     「平均」とは、利潤率を上げる会社や下げる会社もありますので、東証TOPICSのようなもので、上げ下げしながら全体として下がっていくのだ、というくらいにとらえるのがよいのでしょう。
     また、「利潤率」という率なので、100対1=10000対100になり、「利潤」そのものの総体は増えることにもなります。
     このあたりの理解がないと資本主義の発展的解消をつかみ損ねるのです。
     だから、人件費を減らすことや、搾取率をあげることで、利潤率をあげることになり、だから、「結局、労働者が苦しむ」ことになるとの結論は、あたっています。
     一方で、利潤が1から100になった場合、労働者数が一定で、搾取がなければ幸せを掴める構造になるのです。皆が笑って暮らせる社会の一端を獲得できるのです。
     いいところにはまで到達したのに、その点についての、“解説”がこの本にないのが惜しい点なのです。まるで、欽ちゃんの仮装大賞の判定で19点で落選のようなものです。
     でも、私が審査員なら、あと一点を追加して20点にして合格にしますよ。
     その経済構造が“共産主義”と言おうが、ポスト資本主義と言おうが、構わないのです。
     
     


     





     
     
     
     
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