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早朝の風 69 村上スピーチと脱原発政府

2011.06.11 Saturday
0
    評価:
    村上 春樹
    新潮社
    ¥ 1,890
    (2009-05-29)
    コメント:なんで、それほど売れるのか。

    JUGEMテーマ:モブログ

     村上春樹さんがバルセロナでの受賞スピーチが賛否両論です。
     それはいいことです。
     「原発」がいいかどうかを議論することは、今後のエネルギーの在り方にとってプラスになります。
     「エネルギー」という言葉もその昔は物理学懸賞論文のタイトルになったぐらい一般的でなかった時代もあります。
     しかし、今は、子どもから当たり前のように使われます。
     
     村上さんのスピーチの全文はネットで流れています。
     それを読むと、珠にキズが3つあります。
     
     1. 誰が「原発」を辞めさせるのかという主体について述べていない。
     2. 何故、辞めさせることができるのか、その理由が述べられていない。
     3. 「原発」と「核兵器」を同列視している。

     
     スピーチを読むと1.については「日本人」という答えになろうかと思いますが、現在、「脱原発」については少数派であること、「原発推進」は資本の要請であることを抜きに考えています。
     だから村上氏は、原爆投下以来、核アレルギーを唱え続ける「非現実的な夢想家」になることを世界に向かってスピーチせざるをえないのです。
     そして、「日本人」は、核兵器の被害者であると同時に、「原発」災害の加害者となっていると断じてしまいます。
     
     村上氏の善意を最大限認めつつ、私なりの反論としては、
     
     1. 原発を辞めさせる主体は、直接的には政府である。その政府は「脱原発の政府」であり、その統一戦線が形成され精神的にも数の上でも多数派を占めたときに成立する。
     2. 新しい代替エネルギーが開発され、エコな生活を求める国民性が形成されつつあり、大企業がその内需拡大に目を向ける可能性があるから、経済的には「脱原発」の可能性はある。ただし、アメリカと経済的密接なつながりのある日米同盟の解消なしには達成しえない。
     3. 「原発」はエネルギー依存率からみても簡単にはなくせないが、「核兵器」は使わないから(あるいは、使えないから)、雇用を保障すれば 、政治的にすぐになくすことができる。この違いを見ていない。

     
     今回の村上氏の発言は、何も知らなかった人々に刺激を与えたという意味では評価できます。
     一方、上に挙げた、主体・理由・同列視については、大きな欠陥と見ないわけにはいきません。
     
     『1Q84』という政治的文章が書ける文学者なら、もっと大きな見通しがたってもよいように思うのですが、旧日本軍の高射砲がB29にあたらずに 放射線を描いて落下するようなスピーチに思えました。
     
     えらそうで、すみません。
     

    早朝の風|-|-|-|-|by ネコスキイ

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