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早朝の風 79 夏の戦争責任論

2011.07.28 Thursday
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JUGEMテーマ:モブログ

 夏になるとテレビも新聞も、あの15年戦争の責任についてあれこれと特集します。
 一つだけ絶対にマスコミでやらないのは天皇責任論ですが、もっと深刻な不理解にもとづく責任論を示している小説を見つけました。
 小説ですから、事実ではないのですが。
 
 山岡荘八と言えば大部の『徳川家康』などを書いた歴史小説作家ですが、その彼の作品の中に『小説 太平洋戦争』というのがありまして。
 毎年、夏になると何らかの戦争問題についての資料を読むことにしているので、戦記物を探していたところ彼の小説に突き当たったというわけです。

 まるで見てきたように人物を描写するのが小説ですが、そこに何らかの自分のメッセージを込め、それを読み解くのが読者の楽しみだったりして、事実関係とはちがうことに頓着しないのも小説として面白かったりするのです。
 歴史史料でまだ発見されていない空白を埋めて、それを裏付ける史料が後から発見されたりすると、小説家の科学性が証明されたりします。
 
 山岡さんの『小説 太平洋戦争』の最後の方には、極東軍事裁判についての異議がどうどうと書かれています。
 それについては、同意はしませんが、反論の仕方が笑い転げる方法をとっているので、これは是非紹介したいと思いました。

 
 講談社文庫の『小説 太平洋戦争 (9)』p238

  (氏は、極東軍事裁判はあまりにも仮定がひどすぎて、小説作家も顔負けの筋書きを立てた。このような平和や人道に対する罪をかぶせる筋書きが可能なら、以下の仮定も成りたつではないか!!!と主張する)

 「マルクスが1818年に生まれなかったら、レーニンも現れなければスターリンも現れず、支那の共産革命も、今日に続くベトナム戦争の虐殺もなかったろう。したがって、共産革命によって失われた地球上数億数千万人の虐殺という人道上の罪はあげてマルクスにある・・・・」
 「そうした小説を書きあげる作家が将来出て来まいものでもない。出て来れば結構資料もあるだろう。しかし、こうした法廷を新しく設定してマルクスを告発したり、さばいたりしようという法律作家が現れたら、世間はこれを正気と受け取るであろうか?」

 氏の主張は、極東裁判の論理とは、以上のような狂気であると断じるのです。


 たしかに、極東裁判は、天皇と財界を裁かない欠陥があります。
 が、極東裁判が気に入らないかといって、このような間違った反論をすることも欠陥です。

 さらに、思想的影響と言えばレーニンまでであって、レーニンもマルクスの解釈を間違えています。スターリンはマルクスの逆を行っています。

「支那の共産革命」というのは中国も認める、実現していない事実であり、ベトナム戦争の虐殺は資本主義国の盟主としてのアメリカが犯したことなのです。
 
  反論するにも事実にももとづかない、めちゃくちゃなのです。
 しかも、こういう小説が大出を振って発売されているのです。
 
  これが「この国のかたち」なのかな?

早朝の風|-|-|-|-|by ネコスキイ

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