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跳躍 マル・エン全集ノート1 ラインの黄金比率

2011.09.20 Tuesday
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    JUGEMテーマ:読書

    1839-1844
     『ライン新聞』に、マルクスの画期的な論文--ラインの黄金か?

     『ライン新聞』に発表された論文(注1)で、人民を抑圧するドイツの絶対君主制や封建的反動に対するマルクスの民主的たたかいが始まりました。この新聞に書かれた諸論文でマルクスの思想が「観念論から唯物論へ、革命的民主主義から共産主義への移行」(注2)したと言われています。
     
     とくに、木材窃盗取締法についての討論を取り扱った論文と『モーゼル通信員の弁護』は、マルクスは「政治的にも社会的にも差別待遇されている貧しい大衆」の立場に立って書かれています。
     そういう勤労する人々の苦しい物質的状況を分析して論文を書き上げたことは、マルクスの思想を形成する上で大きな意義を持ちました。
     マルクスは後年、「木材窃盗取締法を研究し、モーゼル農民の状態を調べたことが動機となって、私は、純然たる政治から経済的諸関係の研究に、したがって社会主義(=共産主義(注3))にすすんだ」と友人エンゲルスに語ったことからも明らかです。
     
     また、論文『共産主義とアウグスブルク』(アルゲマイネ・ツァイトゥング)では、共産主義を、プロレタリアートの闘争によって提起された現代の重要課題だとマルクスは見直しました。それまでの様々なユートピア的な“共産主義”を批判的に見るだけでは十分でなく、もっと科学的に研究していく深いポテンシャルをもった課題だと考え直しています。ただ、まだ簡単に答えはでない萌芽なのでした。
     それが、マルクスが『ライン新聞』で活躍していた時期の思想的発展段階と言えます。
     
     その萌芽が、さきに述べた観念論から唯物論への移行過程とすれば、その第一段階が未完成手稿『ヘーゲル法哲学の批判から』と言えます。この手稿の序説をマルクスは雑誌『独仏年誌』に発表しました。そこで述べられた到達点とは、 「法関係も国家形態も、・・・物質的生活関係---ヘーゲルが・・『市民社会』と名付けているもの---に根底をもっているということ、そして、この市民社会の解剖は経済学にもとめなければならない」(注4)
     というものでした。
     つまり、法も国家も社会全体との関連で理解し、その分析のメスが「経済学」なのだ!!という認識に到達したわけです。ただし、従来の古い経済学では歯が立たないとも思っていました。
     
     『資本論』完成よりまだ30年も前の時期ではありますが、線路をつくる道具は揃ったのです。
     社会発展の法則を発見する道筋はできたのです。『ライン新聞』の編集・執筆をしているあいだに編み出されたので「ラインの黄金比率」とでも名付けておきましょう。
     それらが雑誌『独仏年誌』の論文や友人と交わされる手紙の中で縷々述べられています。
     この雑誌の目的は「すべての既存の事物を仮借なく批判すること」として、現実と切り結ぶたたかいこそ本物であって、現実のたたかいから切り離された観念的な思考は排除しました。
     たとえば、論文『ユダヤ人問題によせて』では、「政治的解放」と「人間的解放」の根本的な差異について深遠な思想を展開し、ヘーゲル派のブルーノ・バウアーの観念論・神学の無益な立場を批判しました。(ここでは、「政治的解放」はブルジョア民主主義革命であり、「人間的解放」は社会主義・共産主義革命のことと、簡単に理解しておきましょう。)
     
     この雑誌の目的に沿って、現実とたたかい切り結ぶ思想を述べたものとして、『ヘーゲル法哲学批判・序説』があげられます。
     この労作のなかではじめて、社会主義革命を実現する能力を持つ社会勢力として、プロレタリアートを挙げました。当時は、農民が圧倒的に多かったなかで、資本家にやとわれる労働者を中心とした勢力!! ただし、大農場で働き、家や農機具程度の生活手段しかもたない農民もその種の社会勢力に入れるべきでしょう。
     この著作ではそのことを「哲学がプロレタリアートのうちにその物質的武器を見いだすように、プロレタリアートは哲学のうちにその精神的武器を見いだす」と象徴的に表現しました。
     具体的には、ドイツの東方、シュレージエン地方の織布工の蜂起の経験にもとづいています(注5)。シュレージエンの労働者だちは、それまでの打ちこわしというたたかいだけではなく、目に見えない抑圧階級(ブルジョア)とのたたかいに挑みました。
     ただ、まだこの歴史段階での社会主義へ道は、現在の目から見れば乱暴な「たたかい」の域を出ませんでしたが。
     (エンゲルスの思想遍歴はここでは省きます。ただし、工場経営者という違う道をたどりながらもマルクスと同じ思想に行きつくのですから、双方は時代の子なのです。) 

     
      (注1)マルクス・エンゲルス全集(以下MEと略す)第1巻『プロイセンの最新の検閲訓令にたいす   
          る見解』
      (注2)レーニン全集(以下Lと略す)第21巻p68(邦訳)
      (注3)筆者加筆。これ以後は、社会主義=共産主義と書き換えます。
      (注4)マルクス
      (注5)ME第1巻『論文「プロイセン国王と社会改革」に対する批判的論評---1プロイセン人』(これ
          はマルクスが寄稿した論文である)
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