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「アンナ・カレーニナ」 3

2018.07.27 Friday
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    JUGEMテーマ:読書

     

     「アンナ・カレーニナ」はアンナのテーマとレーヴィンのテーマの矛盾です。

     アンナは事実婚(不倫とは言い難い)とレーヴィンの愛のある形式婚(旧態依然として)に、「家族」の形を発見しようとする物語なのです。

     エンゲルスも『家族、私有財産、国家の起源』でモルガンの『古代社会』を引用しつつ、「家族」の変態と推移について述べ、未来社会を構成する「家族」の在り方を研究しました。

     その大きな人間としての探求の歴史ーーこれは誰しもが一度は考えることではありますが、ーーその中に、「アンナ・カレーニナ」を位置づけるのが一番ストレートな鑑賞方法だと考えます。

     

     中国では「織姫」が「彦星」を訪問するという嫁入り婚形式の七夕伝説になっているのに、日本では「彦星」が「織姫」を訪問する婿入り婚形式になっているのは、家族形態が歴史的に中国の方が "進んでいた" と考える研究者もいます。

       レーヴィンのロシアでは、キティがレーヴィン宅に来ているので嫁入り形式を踏んでいます。

     当時としては、普通の形式にも拘わらず、レーヴィンは頑張ってそこに嫁入り財産など関係なく「夫婦愛」を尊重するようにしています。ところが、アンナの方は形式はともかく、事実婚で「夫婦愛」だけに基づいた生活に固執しています。

     アンナは形式を重んずる夫カレーニンと重い愛情に飽きた情夫ウロンスキイの板挟みで、自殺してしまいます。

     

     理想は「形式」と「実態」、つまり婚姻形式と愛情(肉体+精神)が一致することです。名誉と財産目当ての結婚が事実上破綻することが多いのはその一致がないからなのです。逆に、愛情があっても貧困に耐えられず破綻することもあるのはその裏返しです。

     

     もし愛情を中心に婚姻が結ばれるならば、形式は後からついてくるように法改正したらどうかと考えます。

     法律が先にあって、それに合わせて婚姻関係をつくるならば、はみ出た部分は法律違反か国家的保護の対象とならない部分になってしまいます。

     それこそ、「家族」「婚姻」の歴史的変遷をつくる主体は夫婦であって法律ではないのです。生命保険や学校・職場に関連する瑣事に差別と偏見を持ち込むことは厳禁です。

     夫婦の選択的別姓など当然の成り行きであって、いまだにその法律が成立しないなんて後進の極みと言わざるを得ません。

     もし、同時に二人が好きになり、その二人がその関係を承認したとしたら、三角関係の夫婦(夫婦婦または婦夫夫)を許すぐらいのぶっ飛んだ承認も必要です。

     LGBTが許される社会ならそれもあり、ということです。

     

     

    文学ディスカシォーネ|-|-|-|-|by ネコスキイ

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