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経済学名著50冊を1冊で

2019.03.15 Friday
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    JUGEMテーマ:読書

     

    「経済学の名著50冊を1冊でざっと学べる」本が出ています。

     アダム・スミスはもちろんマルクス、アマルティア・セン、トマ・ピケティ、ジョージ・ソロス、川上肇まで紹介されています。

     また、かなりくだけた表現でも自分の言葉にもかかわらず、科学的に紹介されていますので、大変面白く読ませていただきました。

     

     著者は、代々木ゼミナール講師、KADOKAWAで出版されていますが、私が読んだのはKindle unlimited版なので紙の本とは少し違いあるかもしれませんが、確認していません。

     

     それはさておき、この著者はマルクスの理解も敵対的ではなく反共的でもないところが惹かれます。もしかしたら、トロ(トロッキスト)かもしれません。でも、今は伏せときましょう。

     

     マルクスの理論の大切な点を概略的に示しているのではなく、感想的に述べています。『資本論』は「資本主義の仕組みを丸裸にする」本など、という表現で読者をひきつけます。「剰余価値」の搾取を簡潔な図入りでしめしてある点、数ある経済学本とは一線を画す読み応えがあります。

     そして、第3巻の資本流通の総過程の結論とでもいうべき「利潤率の低下の法則」を「資本主義は発展すればする ほど、資本家の利潤率が下がってしまうのだ」と説明しています。

     この考えは、実際の『資本論』では、「平均利潤率の傾向的低下」という章立てになっています。そこをこのレベルの著書で簡潔に説明しているというのがすごいところです。

     ところが、この理論を応用した「全般的危機論」は30年ほど前に論破されております。たとえば、「平均利潤率の傾向的低下」の法則は恐慌などとは関係のない話、利潤率の低下はあっても利潤の絶対量は増える、という考えもあるのです。

     その点の考慮が欠けているのがこの著書の難点かな、と思います。

     

     いずれにせよ、著者は『資本論』そのものは読んでいないと吐露しています。実際に読んだのはデヴィッド・ハーヴェイ の『 資本論 入門』だということですから、何をかいわんやですが、本当は解説する値打ちがないのですが、三次資料からでもこのレベルの解説ができる能力は褒めてあげたいと存じます。

     また、そのハーヴェイを引用して、「 今の時代だからこそ 面白い」と思える内容を見つけられるはずだ、と主張している点も著書の紹介者としては合格と言えますね。

     

    p.s.

     だいたいこの手の本は「マルクス」の理解のレベルを見れば、全体の解説レベルも分かります。

     また、「平均利潤率の傾向的低下」(ドイツ語からの直訳)は、マルクスが概略的に発見したもので真理は真理だけれどその意味を正確に解釈する経済学者はいまだ出てきていないのです。

     

     

     

     

    経済・税財政論・会計学|-|-|-|-|by ネコスキイ

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