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NHKの「チコちゃんに叱られる」という番組は、土曜日の朝の連ドラが終わった後にいきなり来ます。
CMがないからこんな風に始まります。NHKの特徴の一つでもあります。
多くの世代に受け入れられた面白い番組で、「5歳の」チコちゃんがゲストに子どもの視点で質問して答えられなくなったら「ぼーっと、生きてんじゃねぇーよ」と毒づくところが面白いのです。
多くの子どもはまさに「科学者」の視点で、常識を見るわけですから、なぜ、なにという質問をするのは当然の成長過程なのです。
当たり前と思っていたことを、あえて何故なのかを考えることはせずに生きているのが大人でもあるのです。それが良いことでもあるのです。すべてに「何故か」と引っかかっていたらおちおち歩けなくなりますからね。
それを前提に、子供らしさの探求心と残酷さで、毒舌をはくという設定は、「常識を疑え」という発展思想からは歓迎されるべき態度でしょう。
これは、権威を疑うということにつながって、社会を変革する力ともなるので賛成です。
しかし、一方で、この言葉を権力者が使ったとしたら、真逆の弾圧になるという両刃をもっているのです。
この点で、この番組の森永のおまけ「キョロちゃん」みたいなカラスが視聴者投稿で紹介していたことに、ぎょっととました。
それは、校長先生が成績の悪い生徒たちに壇上から「ぼーっと、生きてんじゃねぇーよ」と言って、生徒はドン引きだったという事実です。
成績が悪いのは、ボーっと生きているからではなく、ちゃんと教え、学ぶ態度を引き出していない学校や社会があることを無視しているからです。
この毒舌は、被支配者が使う言葉なのです。
支配する側が使うと悪いのは、もし、三権の長が答弁や判決で使ったらどんなことになるかを考えればわかるでしょう。
このことは、「チコちゃんたる木村祐一氏のみごとな才覚と対応の深さとは関係はないのですが。
流行語のトップテンに入ったようで、紅白出場当選したようです。よかった、よかった。