核子のイタズラ 連載38

2009.03.18 Wednesday
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     ポアンカレやロシアのグループが、ああ、これで物理学理論が破壊されたと思った瞬間から、現代物理学が始まりました。ゲッセンが社会経済学的に法則の発見を裏付け、大沼正則が自然と社会からの自然科学の規定を考えましたね。それまでの法則と矛盾する自然現象の理解には、社会の発展による認識の発展が寄与するのです。キュリーもそのなかの一人でした。
     物質の構造を探る上で、原子の構造を知る必要がありました。ポーランドで生まれたマリア・スクドロスカは、ロシア帝国支配下でロシア語を強制されながら、学びました。「いとしのマーニャ」は、彼女の子ども時代を描いた小説です。長じてフランスに留学、ピエール・キュリーと知り合い結婚、マリー・キュリーとなります。
     部屋一杯分のピッチブレンド(岩石)から、ほんの僅かなラジウムを取出し放射線を確認、新物質も発見します。その名前を故郷にちなんでポロニウムと名付けられました!ポーランドの金属という意味ですね。レントゲンがエックス線を発見する流れが自然科学の潮流だったなかで、皮肉にもロシアの抑圧に耐えた粘り強さで、ピッチブレンドからポロニウムの発見がある!大沼正則の言うとおりの発見でしたね(^.^)b。
     その後、ラザフォードチームの金箔にα粒子を照射してある部分だけ反射される実験結果が、原子核を確実にしました。さらに、原子核は陽子と中性子で構成され、中間子で結びついている結合エネルギーを持っているいること(湯川秀樹の仮説でチャドウィクが中性子確認)や、質量数が大きくなると小さな空間に反発しあう陽子の力の軽減のためか、中性子が比較的に多くなることも確かめられました!その陽子と中性子の相互転化のため、どちらという特定をしない形で、核子と言います。、まだ、原子の構造の説明は続きます。
    久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

    ゲッセン論文の現代性  連載37

    2009.03.17 Tuesday
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      評価:
      ベー・エム・ゲッセン
      法政大学出版局
      ¥ 3,150
      (1986-10)
      コメント:現代の物理学や数学の発展を見る視点としても有意義です。

       相対性理論の核心がわかったところで、ニュートンの「プリンキピア」の社会経済的要因について考究したゲッセン論文(英語ではヘッセン、ロシア語でゲッセン、法政大学出版局からその訳が出ています)について、もう一度考えてみましょう。ニュートンは運動論には興味はあったけれど、エネルギー論に触れなかったのはその経済社会的な背景にあるということでした。
       しかし、この論文の中で、さらに大事なのは、それが発表された1931年が、世界大恐慌にあえぐイギリスでの科学史発表会だったことです。ゲッセン論文の第6章は、権威ある科学雑誌「ネイチャー」に出された、あたかも大恐慌の原因が機械制大工業にあるかのような論文に対する批判でした。生産力を破壊したのは、資本主義の根本矛盾であり、科学を発展させるのは「社会主義」だということでした。ただし、ここでいう「社会主義」はスターリン型であり、ソ連は社会主義でもないのに「社会主義」と名乗っていたという不幸があります。そのゲッセンの考えを正統に受け継ぐのは、バターフィールドでも、トマス・クーンでもなく、日本の大沼正則です。
       ただし、「社会主義論」を除く、その論文の核心部分は正確であったと思います。
       では、現在、「百年に一度の金融恐慌」(グリーンスパン)であるなかで、_奮愕Δ任蓮△匹Δい受け止めをしているのかと思いますね。△泙拭▲▲ぅ鵐轡絅織ぅ鵑肇魯ぅ璽鵐戰襯亜Ε轡絅譟璽妊ンガー、さらに、南部・小林・益川を科学史ののなかで、「自然科学の二重性」(大沼)を基礎にどう位置づけるのかというのも気になるところです。
       最近では、「資本論」が再度脚光を浴びていますが、ゲッセン論文第6章もその意味で脚光を浴びても不思議ではありません。物理学の危機を憂えたのは、アンリ・ポアンカレですが、その脱却を説いたのも彼でした。ローレンツ収縮について宇宙を楕円球として解釈しようとしたり、長岡半太郎の原子模型を否定したりしていますが、レーニンが「唯物論と経験批判論」で批判したのは、現実をよく見てそこから出発するということだったのではないかと思います。

      久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

      E=mc×c 連載36

      2009.03.17 Tuesday
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        ついに、世界でもっとも有名な方程式に物理学を積み上げて到着しました!これは、相対性理論からエネルギーを考えたとき、質量そのものが、物体の速度に依存するという変化量ですから、簡単ではありません。しかし、ある力のする仕事、つまり質量×加速度を考え計算し、分母の無理式を展開すれば、静止エネルギー+運動エネルギー+・・が得られます。この第一項が、表題のE=m×c×cになり、第二項が運動エネルギーになります。それ以降の項は、さらなる学習が必要です。すなわち、cは定数なので、質量はエネルギーであるという結果が導き出されています。それまでの古典的な力学からすれば、転地がひっくり返るくらいのパラダイム転換です。しかし、これは、核エネルギーを考える際に必要な概念で、現代政治を考える上では、この概念をしっかりと科学の中に位置づけることかず大切です。つまり、科学に党派性はなく、その使用に党派性が現れます。その党派性は、階級性の集中的表現です。
        久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

        若田さんの相対論的効果 連載35

        2009.03.16 Monday
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          今まで見たとおり、アインシュタインの相対性理論は、光速度3×10の8乗m/sに近い速度の場合に、目に見えて効いてくる効果です。したがって、500m/s程度のジェット機ぐらいの速さでは、100万倍の違いがあるので、飛行機の長さが収縮したり、時計の遅れ、質量増加は理論上はありますが、計測出来ません。ところで、もうすぐ出発するディスカバリー号に乗って宇宙ステーションで過ごす若田さんは、3ヶ月も滞在しますので、どうでしょう?滞在秒は3ヶ月×30日×24時間×60分×60秒=約800万秒。速度は、仮に、50万キロm/12時間×60分×60秒(半日で地球一周)=50万キロm/50万秒=1000m/s、とします。すると、ローレンツの時間の遅れから、若田さんは、3ヶ月で、√(1−(1000/1億)の2乗)秒だけ、時計がズレて帰還します。しかし、数式を見てわかるように、ズレは10の10乗分の1秒、100億分の1秒なので、これを測るだけの時計がありませんが、確実に若田さんは「100億分の1秒だけ浦島太郎」になります。つまり、かなりおおざっぱには3ヶ月の滞在で、1000分の1秒だけ若田さんの時計が遅れているはずです。しかし、この単位ならスピードスケートやボブスレーで計測しています。30年程度滞在して帰還して、1秒のズレが生じる程度です。したがって、素粒子や宇宙という違う階層の法則であるため、相対性理論は日常では奇異に感じます。ただし、今の瞬間もわれわれに降り注いでいる宇宙線粒子は、目の前で自分の時計を遅らせて独自の小宇宙を無数に作っていることを考えると、階層性だけでは解決できない世界に気付きますね。ああ、感動的だ!
          久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

          ローレンツ収縮、時計の遅れ 連載34

          2009.03.15 Sunday
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            相対性原理が理解できたうえで、ローレンツ変換の話に移ります。これを理解するために、古典的な認識であるガリレイ変換について説明がなされる必要があります。力学で学んだ、ニュートンの第一法則、慣性の法則が成り立つ座標系を慣性系といいましたね。ある慣性系に対して一定の速度ベクトルで運動している座標系は慣性系です。ガリレイ変換は、2つのこの慣性系座標の関係を式に表現したものです。これに対して、すべての慣性系では光速度一定であるという原理を重ねると、ガリレイ変換が成り立たなく矛盾するので、光速度一定を成り立たせるような2つの慣性系の関係式を、ローレンツ変換といってます。この関係式から、ある慣性系からみた別の慣性系の物体の長さの収縮、時間の遅れ、質量の増加が定量することができます。浦島太郎が竜宮城から帰ってきたとき、知り合いは皆いなかったとの伝説は、天橋立にありますが、相対性理論からいうと時間の遅れと考えてもよいのです。さて、では、相対性理論でのエネルギーはどうなのかとうことは、当初の学習目的である核エネルギーに関係するので、次回説明しましょう。また、実際の相対性理論の効果がどこに現れてくるか、考えていきます。案外、身近ですから。
            久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

            電磁波の存在様式 連載33

            2009.03.14 Saturday
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               電磁気についてひと通り終えたので、今日からは相対性理論に入ります。この理論は、ミステリーチックに描かれると同時に、アインシュタインの気さくさで親しみをもって描かれるます。
               ドイツ物理学の権威だった教授マックス・プランクに比して、アインシュタインはスイスの特許技師だったという経歴の違いが面白いです。マイケルソンとモーレーは実験で、光はどの慣性系でも一定であるというおどろくべき事実を発見し、横波である電磁波を伝える媒質と言われた「エーテル」の存在を否定しました。これは「媒質論」から「空間の性質論」への認識発展でした。いわば、電磁波の存在様式なのです。
               これが、重力を伝える「場」の理論への発展の契機にもなっています。さて、簡単にするため、静止している人Aと、一定の速度のロケットに乗っている人Bが、同じ地点から出発して、同時に光が発射されれば、常識的には、Aは静止のまま速度0、Bは速度u、光は速度cとなり球面波として進行します。AからBを見たら速度uで飛び、光はcで進行している、また、Bから光をみたら猛スピードで追い上げているのだから、c−uになると思います。ところが、Bから光を見てもcのままだというのが、現実なのです。ここにミステリーが生まれる原因があります。普段の通勤電車では、普通列車からみた快速列車の速度は、「快速−普通」ですよね。ところどころでは、走行しているのにお互いに静止しているようにも見えますね。この存在としての光速度を前提として、今まで考えてきた空間と時間を考えます。
              久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

              電磁波の人体への影響 連載32

              2009.03.12 Thursday
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                  電磁波はそのエネルギーレベルがある程度に達すれば人体に影響はあると、私は考えます。以前のブログで、エディ・マーフィーのコメディ映画「ワシントン協奏曲」で、小児白血病を患った少女が電磁波の影響だったのに、政治家がその原因を隠したため、その悪を暴くコメディを紹介しました。アメリカのコメディはすごいのです。
                 現在、日本に電磁界(場)の磁場(界)規制は一切ありませんが、送電線や携帯電話通信塔が増えるもとでの不安も大きくなっているのも事実です。選挙の公約として電磁波対策を挙げるグループもでてきていますので、独自で研究もしてコメントしていく必要はありましょう。
                 さて、WHO(世界保健機関)は、2007年6月中に50ヘルツ、60ヘルツの電力周波数を中心とした極低周波(超低周波)分野の新しい「環境保健基準」を発表しました。「磁場と小児白血病の関連は否定できない」「電磁場曝露低減のため予防的方法の採用は理にかなっており正当である」などと報告されているようです。
                 その前に、経済産業省は2007年4月25日、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員階に「電力設備電磁界対策ワーキンググループ」を設置しました。設置の理由は「送電線などの電力設備から発生する電磁界の一般公衆に与える健康影響を対象として、国内外の研究、国際的な規制の状況、WHOの環境保健基準等を踏まえた規制のあり方、講ずべき対策等について検討する」ためとしています(少し裏がありそうですが)。

                【資料】
                ○World Health Organization(WHO)「Electromagnetic fields (EMF)」
                 国際機関である世界保健機構(WHO)が推進する電磁波プロジェクトチームのホームページです。電磁波と人体の影響について幅広く研究活動を推進。研究報告書については「EMF publications & information resources」内に「Fact Sheet」として収録されています。
                 
                ○英国 国立放射線防護委員会「Electromagnetic Fields」
                  英国保健省指定の研究機関「国立放射線防護委員会」のサイトです。電磁波に関する取り組みは、高圧線の電磁波、携帯電話のマイクロ波など多岐にわたっています。電磁波と小児白血病との相関可能性については、一部認めるという立場になっている点が少し違います。

                久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

                量子論の始まり 連載31

                2009.03.12 Thursday
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                  電磁波は波であり、粒子であるという二重性をもっていることが、数式でも示されましたが、そこに関わる定数は、プランクの定数です。今回はプランクの定数についての話です。これまで、この定数を前提に話をしたのですが、この定数が出てくるのは、プランクの公式だということです。この公式は、工業が発展して、いろいろな温度の炉から出てくる可視光線などの電磁波についての波長ごとのエネルギーを測定した実験結果を表す、経験的な公式でした。1900年のことです。この公式を理論的に導き出すには、古典物理学を根底から覆す思想が必要でした。これが量子論の始まりです。すなわち、ある振動数の光は、振動数に比例したエネルギーの塊の整数倍の飛び飛びの値しか取り得ないという考えです。これは波動性と粒子性の高度な統合です。それが工業の実験から得られた認識の発展でした!
                  また、一方、ネオンサインにみられるような気体特有の光のスペクトル配列に何か特別な規則性をリュードベリが発見して、経験則として発表されました。これらを総合して、ニールス・ボーアは、惑星軌道型の電子が原子核よりより高い位置に励起されたところから、落下したときに光としてエネルギーが放出されると考え、量子論を発展させたのです。これからコペンハーゲン学派が形成されていきます。これは、新国立劇場の演劇になっていますね。軌道が一つ上がるのをライマン系列、二つあがるとバルマー系列、3つをパッシェン系列といっています。今日は、ここまで。次回はお待ちかねの電磁波の影響について考えます。
                  久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

                  光の二重性格 連載30

                  2009.03.12 Thursday
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                    光は電磁波であることが確認されました。そこで、実際に目にする光について深めます。光は電磁波ですから波の性質を持っていることは説明しましたが、時代が経るにつれ、説明のつかない事象が出てきました。典型的には、ゞ眤阿妨を照射するとある強さ以上になると電子が放出される、原子にエックス線を照射すると、前後でエネルギー保存法則がなりたたない、という事実が発見されました。これは精密な測定を前提とした実験です。,聾電効果、△魯灰鵐廛肇鷸桐陲箸茲个譴泙后,砲弔い討蓮▲▲ぅ鵐轡絅織ぅ鵑、発想を転換して光の粒、光子が金属の自由電子に衝突する強さで、電子の叩きだされかどうかきまり、そのエネルギーは光の振動数に比例すると唱えました。比例定数は、有名なh、プランク定数と呼ばれます。これはあとで説明します。次に、△砲弔い董,離▲ぅ鵐轡絅織ぅ鵑旅佑┐魃用して、コンプトン散乱を考え、エネルギーと運動量の合計が保存されるとして計算すると、エックス線のわずかな波長の伸びがみごとに説明されました!つまり、光
                    は粒子と波の双方の性格をもつ物質なのです。おどろくべき発見でした。さらに驚くのは、電磁波→物質という発見を、逆にして、物質は波であるということを唱えたのが、フランスのド・ブロイです。では、今やっているWBCの野球のボールは波なのか?ですが、波です。余りも小さい波に相当しますが、測定できないだけです。疲れましたね。電子を一つだけ2つのスリットに向けて照射しても、双方のスリットを通る波の性質ももっています。今日はこれくらいにしときましょ。どんな偉大な物理学者でも今だに電子さえ見たことがないので、ここまで付き合っていただき、ダンダン!(これはドイツ語のダンケ、ダンケの略かな、まちがいかなぁ)
                    久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ

                    マックスウェル方程式 連載29

                    2009.03.09 Monday
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                      電磁波と光の項目に入ります。最大の難関である(と私は思う)マックスウェルの4基本方程式の理解は、磁束密度、磁界、電束密度、電界のベクトル表記とその微分、積分を理解しないと不可能です。ただ、その美しさを理解できるのは、対称性によります。いままで学んだ電磁誘導などは、この一般性から逆に理解すると世界を統一的に見ることができます。この方程式からクーロンの法則、ビオ・サバール法則が導き出されます。これらの方程式を解くと、電磁波が伝わっていく速さは、一定であり光の速さに等しいことがわかります。しかし、だからといって、1864年では、光は電磁波であると結論付けるにはまだ至りませんでした。日本では幕末で1868年に明治維新という時代でした。現在では、光は電磁波の一形態であることが確かめられでいます。その電磁波は、周波数によって分類され、ガンマー線、エックス線、紫外線、可視光線、赤外線、電波などに分かれています。テレビは、この電波と可視光線でなりたち、レントゲンはエックス線、紫外線は殺菌用、赤外線はヒーターなどに利用されています。紫外線やエックス線は、ブラックホールを見つける望遠鏡としても活躍します。さて、電磁波は、磁界と電界が相互に誘起されているので互いに垂直の変動方向をもち、双方が進行方向と垂直なので、横波です。それは、ヘルツのリングの実験でもあきらかです。したがって、電磁波は波の反射・屈折・干渉・回折現象をしめします。
                      久々の物理学|-|-|-|-|by ネコスキイ
                       
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