プロコフィエフのカンタータ

2013.07.27 Saturday
0
    JUGEMテーマ:音楽

     これはあまり聞かない曲です。
     プロコフィエフと言えば、バレー組曲「ロメオとジュリエット」や「ピーターと狼」なんかが一般的に聞かれるのですが、今回はエイゼンシュタイン映画のために書きあげられたカンカータをNHK-FMで聞いてみました。
     
     聞いたのはカンタータ「アレキサンドル・ネフスキー」。
     ロシアで13世紀の英雄的国王(ノヴゴロド公国の公を経てウラジーミル大公国の大公)。ドイツからの侵略を「チュド湖上の戦い」で勝利しました。それをエイゼンシュタインが映画化、曲はプロコフィエフが書いたのです。
     ただ、映画公開当時、独ソ不可侵条約に影響を与えるとして、小規模な公開にとどまったと言われています。芸術の自由がなかったソ連時代の悲劇でした(ついでに思いだしたので書いておくと、「芸術の自由」を明記しているのは韓国憲法です)。

     
     さて本題は、曲の内容です。
     主に前半は交響曲、後半は合唱とメゾ・ソプラノという感じです。
     FMでは小さい音が聞きにくく、大きい音はこもってしまう嫌いがありますが、映画音楽なので情景が浮かぶ曲調です。
     交響曲の部分ではコサック風のリズムもとりいれられてロシア音楽をたっぷり味わえ、ロシアが徹底抗戦し国を守った戦いの歴史を感じます。
     
     以前、交響組曲「3つのオレンジへの恋」行進曲をはじめてNHKで聞いた時(といっても、もう20年も前になる)、不協和音が変だなあと思いましたが、聞きなれるとそうでもなく、むしろそちらの方が現実的な曲調なのかもしれないと思いなおした記憶がありました。
     そういう雰囲気を今回も感じながら40分間を過ごしました。

     その後、ローラン・プティ振付のバレーを見た際、「ロミオとジュリエット」の曲はプロコフィエフでしたが、あのなんとも言えない不協和音とその連続が物語の深さを醸し出す役割を果たしていました。
     「3つ」も「ロミオ」についても、そういう不協和音を効果的に使用する巧さにかけて20世紀の第一人者であるプロコフィエフですが、今回聞いた「アレキサンドル・ネフスキー」には、使われていませんでした。
     モーツァルトの弦楽四重奏曲第19番に「不協和」というのがあり、古典派作曲では珍しいのですが、その部分を大きく拡大解釈し、プロコフィエフはちょうどユークリッド空間に写るリーマン球面のような「不協和」を生み出したように思えます。
     
     なので、お得意の不協和を盛り込めず、このカンタータは、歴史物として当時のソ連共産党を気遣いながら古典的に国家高揚したかった、そんな曲になっています。それもドイツの侵略から徹底抗戦するスターリングラード攻防戦の前のソ連共産党の悪い仕業でした。
     そんなソ連のスターリンをはじめとした首脳部が、実現しなかったとは言え、世界分割のため日独伊ソ4国同盟を構想していたとは驚きであり、プロコフィエフはそんなことは当然知らされない状況だったのです。
     つまり、ソ連よ奮起せよ!!という映画音楽を作らされて、各国幹部だけ仲良くして美味しい汁をすする計画だったのですよ。
     今、プロコフィエフのカンタータを聞く意義はそういう新しく発掘された歴史事実に基づいて、どういう時代思潮で作曲されたか、という歴史悲劇を聞くことにあるのです。

    音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

    ヤン・リシエツキのショパン

    2013.07.20 Saturday
    0
      評価:
      リシエツキ(ヤン),ショパン
      ユニバーサル ミュージック クラシック
      ¥ 2,600
      (2013-05-29)

      JUGEMテーマ:音楽

       7月20日(土)PM9.00からNHKネットラジオ「らじる★らじる」で、ヤン・リシエツキ演奏のショパンを聞きました(番組名「クラッシックの迷宮」)。
       最近はラジオもインターネットで聞く時代です。またそれにつれて、パソコン専用のステレオ・サラウンド・スピーカーもは発達し、BOSEもそういう市場を開拓しています。なので、かなり、高級ステレオに近い状態できけます。
       これだけは、手塚治虫もサンダーバードの作者も予想しにくかった未来技術でした。
       
       ヤン・リシエツキはまだ18歳の少年ですが、NHK解説者の評では、若者らしいての柔らかさがわかるそうです。
       私のような素人がハッキリとそれを認識できたのは、
      「エチュード 作品25 第6番 嬰ト短調」
       モーリツ・ローゼンタール(リストの弟子)のコンピュータ演奏とヤン・リシエツキ演奏の比較でした。
       人気番組の「鉾×盾」で、自動演奏と生演奏を聴き分ける闘いを放送をしていましたが、まだ分かりますね。

       リシエツキが座右の銘としている「よく歌え、されどそぎ落とせ」というショパンの名言どおり、楽譜を無駄なく抑揚をもって牴里辰討い覘瓩里確かに聞き取れました。これも、インターネットとBOSEのおかげかな、と感じいりました。
       
       今日聞きました作品は、
       「エチュード 作品10 第1番 ハ長調」 ショパン作曲(2分05秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第2番 イ短調」 ショパン作曲(1分30秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第3番 ホ長調“別れの曲”」ショパン作曲(3分55秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第4番 嬰ハ短調」 ショパン作曲(2分11秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第5番 変ト長調“黒鍵”」ショパン作曲(1分41秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第6番 変ホ短調」 ショパン作曲(3分17秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品25 第6番 嬰ト短調」 ショパン作曲(1分44秒)(自動ピアノ)モーリツ・ローゼンタール<MDG 645 1402-2>
       「エチュード 作品25 第6番 嬰ト短調」 ショパン作曲(2分07秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品25 第3番 ヘ長調」 ショパン作曲(1分39秒)(ピアノ)ウラジーミル・ソフロニツキー<DENON COCO-80150>
       「エチュード 作品25 第3番 ヘ長調」 ショパン作曲(1分59秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「ノクターン 第1番 変ロ短調 作品9-1」 ショパン作曲(5分54秒)(ピアノ)ブルーノ・リグット<DENON COCO-9556>
       「ノクターン 第1番 変ロ短調 作品9-1」 ショパン作曲(5分05秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第7番 ハ長調」 ショパン作曲(1分38秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第8番 ヘ長調」 ショパン作曲(2分33秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第9番 ヘ短調」 ショパン作曲(2分05秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第10番 変イ長調」 ショパン作曲(2分18秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第11番 変ホ長調」 ショパン作曲(2分38秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品10 第12番 ハ短調“革命”」ショパン作曲(2分46秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>
       「エチュード 作品25 第12番 ハ短調」 ショパン作曲(2分52秒)(ピアノ)ヤン・リシエツキ<ドイツ・グラモフォン UCCG-1626>

       


       「ノクターン 第1番 変ロ短調 作品9-1」では、ブルーノ・リグットとヤン・リシエツキの比較をしていました。私的には、リグットの方がなまめかしさを感じるのですがいかがでしょう。演奏時間もリグットと1割程度長いところから来るものでしょう。解説者はリシエツキの方が「よく歌え・・・」の銘に従っていると評しています。
       小林秀雄氏はこう言う感受性についてはいつも練習しないと衰えて行くと言ったように記憶します。週一程度の感受性磨きは一般芸術家には欠かせないのです。
       その不足する感受性のなかであっても、「エチュード 作品10 第12番 ハ短調“革命”」の完成度の高さとサドンデスには驚愕します。そして、「エチュード 作品25 第12番 ハ短調」は大海のうねりを感じるところから「大洋練習曲」とも呼ばれていますが、これも世界の広大さを感じさせます。
       
       ショパンの墓は、パリの北にあるペール・ラシェーズ墓地にあり、そこにいくと有名人とお金持ちの墓がずらっとならんでいます。大きな墓苑なのでパリ・コンミューン戦士の最終決戦地にもなりました。
       ショパンの墓は、彫像が施してあり「いまもなお香華が絶えず、紅涙をしぼる美しい姿がにぎわって」(『クラッシック音楽鑑賞事典』神保屋賚此講談社学術文庫)います。

       最近のポーランドはどうなっているのだろうか、心配になりました。

      音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

      NUKE IS OVER by 斉藤和義

      2013.01.01 Tuesday
      0

         
        いいのかなぁ、NHKの「紅白」で、そんなストラップで歌うのなんか。
         オリンピックで竹島領有権を主張するのと同じ感じようにも思いますが。
         
         とにかく、人の根幹的要求を掲げるのは悪いことではありません。
         イラク戦争に反対したさだまさしは最近、NHKに出ていないような気がします。干されているのかな。
         
         また、あっちゃん(安倍首相)が再登板しているので政治的圧力をかけて来る予感がします。
         韓流を避けたNHKとしては、少し抜かった点でした。
         ギターのストラップに政治的主張があるとはね。

         でも、特別にディズニーキャラが出て来るのもイデオロギッシュであるということに気付いている人はいるでしょうか。
         「世界は一つ」と歌った場合、アメリカンスタンダードとワシントンコンセンサスを感じます。
         
         NHKをもっと盛り上げるには政治的主張のある歌手は、そのままにしておく必要があります。
         半分はそういうものを知らないまま成長した歌手なのです。
         
         それでも、美輪明宏さんの「ヨイトマケの歌」は、土方にたいする差別と偏見というテーマを歌い演じているので、扱いは微妙だったと思います。でも、そのままにしておくことが感動を呼びますし、視聴率も上がると思います。
         
         NHK予算を国会が承認しているとはいえ、その放送内容にまで承認権はないはずです。
         よって、政府や議員は干渉すべきではありません。
         悪い番組に対しては言論で勝負しましょう。

         イラク戦争に対する大本営的な解説が猯匹瓩董◆NUKE IS OVER」が牋い瓩呂困ありません。
         よって、個人の尊厳を基調にする日本国憲法から言うならば、斉藤和義さんを守ることが、NHK組織としての役割になるはずです。
         その反対ならば、「大本営」と悪態を突かれても文句は言えないです。

        音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

        世界爆発人気・江南スタイル

        2012.09.21 Friday
        0
          JUGEMテーマ:音楽
           
             韓国語では、「ガンナム・スタイル」と聞こえます。
           PV(プロモーションビデオ)のyoutubeでの再生回数が4億回を超えています。
           速度でいうなら、レディー・ガガのPVよりはやい速度だそうです。
           
           韓国歌手のPSY氏が歌う「ガンナム・スタイル」は単調で無機質なダンス曲です。
           単純なダンスもおじさん風でコミカルです。
           
           何がこんなに受けるのでしょうか。
           イエロー・ハットのCMに似ているとの噂がありますが、AKB48の歌が皆おんなじに聞こえるのと同じ理由からです。
           韓国語がわからないですが、成金とその追随者を批判した内容だという批評があります。
           そういえば、高級車に厩舎、美女に囲まれる点は、成金ですね。
           それにしても、ニューヨークでのライブや各国のコピーバージョンも面白いのです。
           オレゴン州立大学のマーチングバンドやオーストラリア、中国のも面白いです。
           私はロンドンスタイルの「ガンナム・スタイル」がいいと思います。街の中で突然踊りだすというのが、刺激的です。
           日本は竹島問題もあってか、メディアは自粛しているのでしょうか。
           さっぱり、この大流行に触れません。できたら、韓流枠で「紅白」に出てほしいくらいのインパクトですね。

           PVの最初の方に出て来る子どものダンスがかわいいです。
           PSY本人は、声もメガネもタモリに似ています。女性のお尻を追いかける姿は、まさにちよっと太ったタモリですね。
           
           何回も見ていると「オッ、オッ、オッ、オ」「オーパン、ガンナム・スタイル」「オー、セクスィレイディ」というコールが頭にこびりつきますよ。「兄ちゃん、ガンナムスタイルだね」とか言っているのでしょう。
           日本なら、さしづめ「兄ちゃん、六本木スタイルだね」とかいうようなものでしょう。
           途中に聞こえる「クロサワ、え」(黒沢、え)と聞こえる部分は何なんでしょうか。
           イエローハットのぱくり疑惑よりも、その内容に注目したいものです。


           
          翻訳がありました!!!なんと
          http://main.k-pops.jp/bbs/board.php?bo_table=kpop_lyrics&item_id=&wr_id=597&sca=%3Cbr%20/%3E


          韓国ポップス(K-POP)が、元気な理由----目からうろこのブログ
          http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0101G_R00C11A8000000/?df=2


           
          音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

          Korea's Got Talent

          2012.06.10 Sunday
          0
            JUGEMテーマ:音楽

             「America's Got Talent」というアメリカの人気オーディション番組が、ほとんど同じ形で世界に広がっています。
             ちょっと、ウィキで調べると、イギリス、オーストラリア、韓国、中国、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェイ、フィンランド、オランダ、ポーランド、ロシア、クロアチアです。
             さらに、YOU TUBE を手繰っていくと、ウクライナ、フィリピン、インド、アラブ(首長国連邦?)などでも同じ形の番組がありますね。
             それぞれのお国柄や音楽がよくわかって面白いので、深夜まで見てしまいました。
             イギリスでは、あのスーザン・ボイルが脚光を浴び、一気にスターダムにのしあがった番組です。
             確かに、スーザン・ボイルは恐ろしいほどのアクセス数を誇ります。ミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌をキレイに歌い上げたギャプに驚嘆します。
             すべてが見られないので即断はできないとしても、歌に込められた苦痛の人生を評価している点が、単なるオーディション番組とは違います。
             
             アメリカでは、黒人の子どもを引き取り育てた祖父母を想い感謝をこめて、その黒人が歌い優勝します。その賞金をハリケーン・カトリーナで失った祖父母の家を建てるために使うと言います。その時、準優勝だった少女ジャッキー・エヴァンコは華やかにデビューしています。
             
             最近、5千万近いアクセスを誇るのが、表題の韓国版番組です。
             オーディション番組に出演した「チョイ」氏は見るところ20代ですが、審査員に履歴書の家族欄が白紙になっている理由を聞かれて、孤児だったことを告白します。
             孤児院から逃げだし職業を転々し、銃や麻薬を売る仕事なども経験、夜のバーで働いていた時見た歌手が素晴らしかったので、一人で歌を練習したといいます。
             審査員は訝しげに彼を見つめながらも、彼に歌を要求します。
             そして、歌が始まると・・・・
             あまりにも芸術的な彼の歌声に審査員はもちろん、オーディション会場は感激の渦に巻き込まれます。
             審査員は涙を隠せません。
             韓国はなぜこんな才能を今まで放置していたのか、そして、清廉な若者にむごたらしい仕打ちをしていたのか、そんな呵責の涙声に聞こえるのです。
             今、「チョイ」氏はヴォイストレーニングを受けて本格派歌手へ歩んでいます。

             こんな、番組が世界中に広がっているにもかかわらず、アメリカ追随の日本はこの分野では追随しないのが不思議な現象です。
             AKB48の番組がつづき、生活上の苦痛とは切り離された「頑張り」を見せつけられて、ある種の「共感」を得るのは悪いとはいいません。
             が、ツィッターでは「現実の「総選挙」の結果を自分達が左右できず、「総選挙」の結果が日本の将来を左右しない国では、国民は虚構の「総選挙」に熱狂することになる」などと、言われています。
             これは民主主義が機能していない証拠なのです。
             ギリシャでは二大政党に期待が無くなっていると同様、アメリカでも同様で、実はニセの民主主義の危機だというのが、現今の世界情勢の根本でしょう。
             その原因は、実は経済民主主義の欠如と実体経済からかけ離れたマネーゲームにあると私は、見ています。
             
             現実は「チョイ」氏のような若者が多くいて社会から切り離され基本的人権などままならない事態に陥っている。また、AKB48軍団のようにマネーゲームの駒として使われる民主主義的「喜び組」もいる。スーザン・ボイルやジャッキー・エヴァンコのように、アスファルトの割れ目から出てきたタンポポもいます。
             それは、人間の中心から噴き出したマグマであり、現実なのです。
             アスファルトのように固めたニセの民主主義とその本質を隠すための「喜び組」。
             「Korea's Got Talent」は、韓国と世界のマグマの噴出とアスファルトの脆弱さを露呈したのです

            音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

            吉田秀和--一週間後の訃報

            2012.05.27 Sunday
            0
              評価:
              塩川 伸明
              勁草書房
              ¥ 2,625
              (1994-09)

              JUGEMテーマ:音楽

               音楽評論家の吉田秀和氏が亡くなったとういうことです。
               一週間後に新聞に訃報が出ています。
               享年98歳。

               父親が開業医で小樽にいたとき、彼の母親が当時ヴィオラを引く小林多喜二(後に日本共産党員)と演奏していた、と回想録に書いているようです。
               ウラジミル・ホロビッツの演奏を聴いてひびが入っていると批評して話題になったことも、昔のかすかな記憶にあります。
               
               ある程度、日本共産党に対して期待を寄せていた氏は、宮本顕治委員長(当時)が、「正しい国民道徳、市民道徳の確立をめざす」と提唱したところから、ある種の不信感をもったことが、朝日新聞のコラム(1975年9月23日)に書かれています(『音楽ー展望と批評』朝日文庫、昭和61年、p142)。
                今から思えば、それは当時の社会主義国の芸術政策に対する批判から端を発したものであると解することができます。
               「党のきめる健全な芸術の規定からはずれた音楽は退廃芸術とされる」という認識は、ほんとうの社会主義国ではなかったソ連や東欧諸国のやらかした罪であり、間違った認識に他なりません。
               また、吉田氏は宮本委員長のテレビ番組の規制などに関連して、ポルノの限界について批判しているのに、いきなり飛躍して、当時の「社会主義国」(ほんとうはそうではない)の経験を持ちだして、共産党はどこでも同じだという平板な道徳論を持ち出していました。
               
               ,海痢崋匆饉腟噌顱從世慮蹐蠅函↓道徳論とポルノの混同、が吉田氏にはありました。
               
               これは、しかし、当時、一般の人々が見誤った誤りの典型であり、さらに当時の日本共産党もまだソ連について、その行動について厳しく批判しつつ、それでも未熟な社会主義だという認識をもっていたのです。
               吉田氏の古い批評を読む場合は、そのへんの誤謬をかなり排除して読まないと、偏見に満ち満ちた論文にしかみえないのです。
               
               やはり、どんな問題でも、とくに芸術を志す人たちは、
               .熟△麓匆饉腟噌颪任呂覆った!
                日本共産党のその認識が最先端であるということ
                (他党はいつまでもソ連=社会主義という規定をしている驚くべき現実がある)、
               F仔舛六毀韻作り上げ、党が決めないということ(これはあたりまえ)、
               以上の基本点は押さえるべきでしょう。

               
               その社会主義に関連して、今年(2012年)、1月に出された不破氏の『資本論』はどのようにして形成されたか』という本を読むと、これは『資本論』批判序説です。
               つまり、これ以上のレベルがない最高峰とされてきたマルクスの著作を批判的に吸収しようとしているのです。
               ニュートンの法則のような『資本論』でさえ、日本共産党は聖域にメスを入れ始めています。それは積年の研究とソ連崩壊という現実に基づいて、事実から積み上げようという努力なのです。やがては、ニュートンを包含したアインシュタインや、質的転換を果たすハイゼンベルクのような理論にまで行き着くことでしょう。

               そのような前進を惜しまない認識発展に敬服するばかりですが、多くの人たちがそのレベルについて行けるかどうかが、問題であり、課題となるでしょう。
               剰余価値論、恐慌の運動論など、これらが現実の経済学と経済政策に取り入れられることを期待したいものです。
               また、いつか、現実につかわれている産業経済表に金融資本の時間軸が結びつくことを期待しています。
               
               いずれにせよ、吉田秀和氏の訃報に寄せて、党派を乗り越えて、今まで色々な音楽情報や蓄積を与えてくださり、鑑賞にさいしては自分とどう違うかの北斗七星になってくださったことを感謝して、遠くからご冥福をお祈りするものです。

              音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

              ヘンデルのフルート作品

              2012.03.24 Saturday
              0
                評価:
                リヒター(カール),ヘンデル,オールディス(ジョン),ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団,ビルグラム(ヘトヴィヒ),クラップ(エドガー)
                ユニバーサル ミュージック クラシック
                ¥ 2,600
                (2006-11-08)

                JUGEMテーマ:音楽
                 
                  めったにヘンデルを聞くことないのです。
                 NHKの名曲アルバムぐらいでちょいと水上の音楽やメサイアを聞くかな、という程度です。
                 それは、まさに宮廷音楽そのものという感じです。
                 
                 ところが珍しくヘンデルのフルート音楽のCDがあったので聞いてみました。
                 どれも同じ曲調で退屈きわまりないのですが、一方で哀愁性はヒトシオ。
                 この感じはなんなんでしょう。
                 バッハのG線上のアリアでもなく、モーツァルトのピアノソナタでもなく、ヘンデルしかないのです。
                 ヴィヴァルディにも共通しますが、ちょっと違う。
                 
                 フルートになりますと、柔らかな雰囲気が醸し出されます。チェンバロの音となじんでいます。
                 
                 「トリオ・ソナタ ホ短調 (2本のフルートと通奏低音のための)」という曲がありまして、これがなかなか良いのです。
                 2本のフルートが掛け合いながら進んでいきます。
                 野鳩の夜明けの掛け合い、すがしさを感じます。こういうのはなかなか聴く機会がないのです。
                 
                 有田正広氏のフラウト・トラヴェルソ(フルート)と有田千代子さんのチェンバロで、聞きました。
                 フルート2本のトリオは、菅きよみさんもフラウト・トラヴェルソを奏しています。
                 横浜みなとみらい小ホールの1998年録音CDより。
                  実は、ここの大ホールで老年のジャン・フルネの指揮を見たことがあります。
                  
                音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

                ショーソンの「詩曲」

                2012.02.25 Saturday
                0
                  JUGEMテーマ:音楽

                   タカラヅカのテーマ曲になった「リラの花咲く時」の作曲家、エルネスト・ショーソン。
                   その変ロ長調交響曲に「詩曲」というナンバーがあります。
                   
                   音楽史的には、彼はマスネやフランクに学んだ早期印象派ではありますが、憂愁に満ちた楽曲をつくりました。
                   1896年、当時有名なヴァイオリニスト・イザイに献じるために作曲された「詩曲」は、恐ろしいほどの深さがあります。
                   
                   映画音楽に慣れ親しんでいる現代人は何かと映像を要求してしまいがちなのですが、聴覚の心地よさだけでも聞けるのです。
                   民放テレビをみていると、擬音を入れたり、なんでもないのにBGMを入れたりしています。選曲が良ければ悪くはないのですが、音楽自体は良いのに映像とそぐわなかったり、型式にはまった使い方をしているのが気になって仕方ないのです。
                   だから、民放はむしろろ製作者の意図に反して見にくいのです。
                   
                   この型式にはまらないのが「詩曲」であって、だからテレビなどでは扱いにくい存在となり、クラッシック音楽以外では扱いにくい存在となっています。
                   ところが、この型式をはずして聞くと、どれだけ想像力と未来性を含んでいるのかわかります。
                   
                   かつて、エネスコの「ルーマニア狂詩曲」のどこが良いのかわからなかった若き日がありました。しかし、旧ルーマニアが崩壊し新生したとき、その歴史の抑圧を知った時、はじめて感銘したのです。
                   それはスメタナもしかり、シベリウスもしかりです。
                   
                   ヴァイオリニスト諏訪内晶子さんがアイザック・スターンに学んだとき歴史を学びなさいと教えられたと語ったことがありますが、そういうものが楽曲に色濃く反映しているのです。
                   楽典を見ると、ある種の曲調が民族音楽を象徴し、曲の断層と空白の技法で激しさを表現するのです。
                   コンポーザーは現実を反映します。ベートーベンがフランス革命を反映したように。
                   
                   コープランドやパーパーがアメリカン・シーンを活写したとすれば、ショーソンは世界大戦前の世紀末の不安を反映したとも言えます。それは来たる20世紀の大きな流れである民主主義の無理解から来る不安だったのかもしれません。

                   そして、この不安は現在にも当てはまるのです。
                   なぜなら、大戦を克服してせっかく手に入れた民主主義が不法占拠されそうだからです。
                   世界経済への投機と独裁者待望論によって。
                   

                  音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

                  ピタゴラスイッチことばあそび2

                  2010.11.29 Monday
                  0
                     
                    1. ピタゴラスイッチ風 暗号唄

                    かおるおか/ましなしま/わにのにわ
                    もとはとも/だんぱんだ/わしのしわ
                    たしました/けさのさけ/きんのんき
                    くすりすく/きのこのき/めかのかめ
                    さかなかさ/けさもさけ/たしました


                    2. 漢字仮名交じり文

                    薫る丘/マシな島/和邇の庭
                    元は友/談判だ/わしの皺
                    足しました/今朝の酒/金呑気
                    薬スク/キノコの木/女鹿の甕
                    性な瘡/今朝も酒/足しました


                    3. 意訳
                    風薫る丘 沖縄は もっとマシな島じゃったはずじゃ 日本の島じゃ
                    北朝鮮は先祖を訪ねれば友人だったはずじゃ 話し合えば解決するはずじゃて
                    でも、わしの皺は気苦労で増えた 
                    朝から酒をあおり 金なんてなくても なんくるないさ
                    病気になっても 薬はリスクが高い 
                    だから キノコを山盛りたべたり 女鹿の角を煎じた甕入り古酒を飲んだりして
                    どうしようもなく治らない瘡蓋を治そうとしているのじゃ
                    やけくそにならないよう 今朝も古酒を足しつつ 世を儚んでいるのじゃ


                    4. ワード変換による異文
                    顔ルオーか / マジな縞 / 鰐の庭
                    藻とは友 / 暖パンダ /鷲の四羽
                    田島氏ったぁ /袈裟の裂け /禁暢気
                    楠栗鼠駆 /黄の孤の気 / メガの瓶
                    魚傘 / 今朝も避け /田島氏だ

                     顔はルオー画伯の絵画に似ている。マジな縞模様の服を着て、鰐を飼っている変人。
                     だから、鰐は池の藻とは友達のように遊びぶのである。
                     ワシントン条約で勝手な輸入が禁止されているはずのパンダの白い部分をピンク色にして、「暖パンダ」と笑い飛ばし、鷲だって4羽も飼育している。
                     こういう田島氏ったら、坊主なのに袈裟さえも裂けっぱなしのポロを着て、戒律を犯してもはは暢気とばかり。
                     例の鰐の庭では、楠の木に栗鼠が疾駆。黄色い狐の気配を感じ、それを追う猫も魚模様の傘をさして、メガでっかい瓶の淵に、吾輩は猫でありんすと佇んでいる不思議な世界。
                     そういうシュールな空想は、今朝も避けたいと思うのも、田島氏ってことよ。
                     (なんのことやら)
                      














                     
                    音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ

                    面白いピタゴラスイッチ

                    2010.11.28 Sunday
                    0
                      NHK 番組にピタゴラスイッチと言うのがあり、短い回文に曲とアニメーションを付けて放送しています。
                      これがすこぶる面白い。
                      何故か、you tube にアップされているので、著作権法ではちょっと危ないかもしれませんが、シュールナンセンスの域に入る空間を醸し出しています。
                      「こたつタコ」などあり得ない図柄ではありますが、逆さ言葉の妙味を存分に味わえました。
                      そこで、我も作らんとて、考えてみました。
                      政治的に考えてかなり皮肉や批判が滲みでてきます。
                      二条河原の落書きにも、匹敵する潜在能力を備えていると思います。タケヤブヤケタ。の政治版です。

                      マグロぐま。
                      これは、今年ニュースになった動物、魚です。
                      板の鯛。
                      総理大臣のことです。
                      メモが揉め。
                      思い付きの配慮のないメモさえ、命取りになります。
                      ロシア白。
                      ロシアの主張は無謀ですが、反論する日本政府も尖閣諸島や沖縄の対応と同様、無原則です。
                      子ども何処。
                      そんな情勢でも子どもたちの成長は続くのです。子どものこともよく考えて。
                      いつもつい。
                      合法的賄賂と非合法の賄賂。ドラッグと同じ、ついついやっちまった、では済まされません。
                      鴎もか。
                      鴎に人生を語らせる手は、ジョナサン以来ですか。周辺に生きる人にまで、汚染が広がります。
                      眼鏡ガメ。
                      いっそ、亀のようにゆっくり歩み、よく見える眼鏡で社会を見たいものです。そんな時間があればいいですね。
                      くるまる9。
                      そんなとき、くるまってなんかいないで、そとに出れば、平和を訴える元気な人たちがいるよ。
                      日本には憲法9条がありますよ。くるまる9条ではなく、いまこそ、出番になっています。

                      音楽は楽しい|-|-|-|-|by ネコスキイ
                       
                      Others
                      プロフィール サイト内検索
                           12
                      3456789
                      10111213141516
                      17181920212223
                      24252627282930
                      << November 2019 >>
                      新しい記事 アーカイブ
                      カテゴリ
                      リンク モバイル
                      qrcode
                      オススメ
                      人権宣言集 (岩波文庫 白 1-1)
                      人権宣言集 (岩波文庫 白 1-1) (JUGEMレビュー »)

                      何事も原典にあたること。マグナ・カルタから始まります。ヴァージニア憲法には、常備軍の危険性を主張しています!!
                      オススメ
                      ジュエルズ(スペシャル・エディション)
                      ジュエルズ(スペシャル・エディション) (JUGEMレビュー »)
                      クイーン
                      宇宙戦艦ヤマトを描いた松本零士氏絶賛の「ボヘミアン・ラプソディ」は、今も力をもつ。
                      オススメ Others ムームードメイン
                          

                      ページの先頭へ